加藤諦三の言葉 第200回 [2005/02/28]

生きにくさをどう解決するか
『自信が持てなくなった時どう生きるか』 (p.171−p.172) (大和書房)


 自己不在の人は相手の保護をも期待するから、とても相手から離れることはできない。
相手の保護なしには不安で生きられない。その相手に不満である。 相手は自分の要求どおりには反応してくれないから憎しみを持つ。
相手との関係は反対感情並存というきわめて生きにくい心理状態になる。

 自己不在の人は一人では生きられない。
依存性が強すぎる。甘えている。 つねに誰かに全面的に依存し、その人から保護されていないと不安でたまらない。
保護を失うことは大海の真ん中に一人で放り出され、浮き輪をとられてしまうようなものである。
 そんな不安に耐えられないから浮き輪にしがみつく。
この浮き輪の役割をはたしているのが、相手である。
甘えている心理状態というのは、このようなものである。

 ところが、実際には浮き輪とちがって人間だから思うように反応してくれないという問題が出てくる。
その浮き輪を離すと生きていかれない。
しかし、その浮き輪に憎しみを持つ。
敵意よりも不安の方が強い感情であるから、敵意にしたがって行動することはできない。
不安を避けようとする行動が優先される。

 この生きにくさを解決するには自分の感情を持つことが大切である。
たとえば、いまこのように一人静かにときを過ごせることに幸せを感じる、
素晴しい音楽を聴くことに無上の喜びを感じる、
この仕事に打ち込むことが面白くてたまらない、などなど。

 人と関係なく、あることにある感情を持つ。
他人が自分に対してどのように反応するかということと関係なところに感情の源泉を持つ。
それが生きにくさを解決するためには大切である。




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