心理的健康について 第3回 [2000/11/16]

第1章 はじめに(3)

「2」家族の心理的崩壊。

 「あなたはどんな時に生き甲斐を感じますか」と言う質問に「家族といえるとき」と言う答えは次のようである。日本の若者は世界最低で21.3%である 「註、日本の青年、世界青年意識調査「第四回」報告書、総務庁青少年対策本部、平成元年一月、67頁。」 次は韓国の42.5%。アメリカは77.8%。
 「あなたはどんなときに充実していると感じますか」 「註、日本の青年、世界青年意識調査「第六回」報告書、総務庁青少年対策本部」。日本の若者は世界最低で26.2%である 「註、日本の青年、世界青年意識調査「第四回」報告書、総務庁青少年対策本部、平成元年一月」。フィリッピンは75.5%。アメリカは70.5%。
 日本の若者は世界で最も家族と一緒にいても生き甲斐を感じない。世界で最も家庭が心理的に崩壊しているのは日本である。そして悩み事、心配ごとの相談相手は諸外国は母親が一位であるが、日本と韓国だけは二位である。しかし若者の家からの心理的独立は遅い。おそらく夫婦も同じだろう。別れたいけど離婚をしないと言う夫婦は世界で最も多いと推測される。
 平成6年「1994年」国際家族年、文部省が行った調査。平日に子供と過ごす時間、日本の父親は、一日平均3.3時間、6カ国中最低。最も長いのはタイの6.0時間。母親はスエーデン「6.5時間」に次いで低い7.4時間。

「3」地域社会の心理的崩壊。

 「あなたは将来ずっと今の所に住んでいたいですか」と言う質問に対する答えは次のようである。日本は最低で26.2%。アメリカは47.3%。一位はシンガポールで64.2%。オーストラリアは62.5%、ブラジルは61.0%。今の所に居たくはないけど、そこに居続けるという生活態度である。これも家庭や職場と同じである。嫌だけどそこにいるというものである。

「4」学校の心理的崩壊。

 平成元年の発表の財団法人日本青少年研究所の行った日米高校生の中退比較の調査がある。同研究所のニュースレター13号の「学校を辞めたいと思ったことがある」と言う質問に対する結果によると次のようである。小学生は日本17.5%、アメリカ10.4%。中学生は日本23.4%。アメリカ21.6%。高校生は日本37.6%、アメリカ34.0%。アメリカでは25%位が退学する。
 日本の高校生は辞めたいと思うが実際には辞めない。不満なままそこにいるというのは家庭、地域社会と同じ心理的姿勢である。
 つまり諸外国の若者に比べて日本の若者は「努力は報われないけど、今のままの状態を続けていく」と言う燃え尽き症候群型の発想と生活態度が強い。



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加藤諦三、加藤諦三研究室