われわれは恋愛すると、恋人に対して時に態度がオーバーになる。それは、人間は自分でしか自分を救えないのだということを忘れるからだ。どんなに苦しいポーズをしてみても、人間はその苦しそうなポーズによって救われるということはない。
自分の中に他人を救う能力がないように、他人の中にも自分を救う能力がないのだ。各人は各人の力によって自らを救済しなければならない。
それが身にしみてわかった時、はじめて他人を目当てにした態度や言葉がなくなるのではないか。
われわれが他人を目当てにした態度や言葉を吐くのは、他人が自分を救えると思っているからである。
われわれは強くなれば他人に誤解されても救われるし、弱ければ他人に理解されても救われない。他人によって理解されるか、誤解されるかということは、自己救済にとって本質的なことではない。