加藤諦三の言葉 第221回 [2005/09/20]

  一人で生きるにはあまりにも淋しいこの人生。
「性格が決める『つらい愛』『楽しい愛』」
「三笠書房」


  われわれは周囲との相互依存関係の中でしか存在し得ないのである。したがって、
われわれの愛も、われわれのおかれている状況から独立しては存在し得ないのだ。
われわれの愛は、さらに大きな周囲との相互依存の中で生きながらえたり、だめになったりする。
愛は場とは関係なく成立し、場とは関係なく滅びる、と思いたい。われわれの願望は、そんなふうに
愛されることである。 一度でいいからそんな愛され方をしてみたいと思う。それゆえに、
その願望に負けて、そんな愛が存在するものだと思い込んでしまう。ちょうど、永遠に生きたい
ということが人間の願望だから、その願望に負けて死後の世界の存在を教える宗教があったり、
神がいることを願うからその願望に負けてわれわれは神の存在を信じたりするのと同じである。
われわれは、ありのままの現実を見るには弱すぎる。それゆえに人間は、さまざまの虚構をつくり、
その中に生きる。一人で生きるにはあまりにも淋しいこの人生。愛がほしい。だからこそ愛があると信じて生きるのだ。


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