加藤諦三の言葉 第214回 [2005/08/02]

人間関係を作ることが下手な人「3」。 
『今日という日の使い方』 (三笠書房)


 人間関係を作ることが下手な人は、たとえば突然見知らぬうどん屋さんに飛び込む。
そして「ただでうどんを食べさせてくれ」と言う。断られる。
すると、うどん屋さんにはうどんがたくさんあるのに、「『たったの一杯のうどん』をただで食べさせないなんて」とうどん屋さんを恨む。
そして相手を「ケチ」と言う。
「私はこんなにお腹が空いているのに、あなたはうどんがたくさんあるくせに、ただで食べさせないなんて、そんな非常な」と思う。
 うどん屋さんを経営するにはうどんの玉を買ってこなければならない。人を雇わなければならない。
眠いのに朝早く起きて、働かなければならない。そこは悩んでいる人にはわからない。
「うどん屋さんを経営している立場から見ると、ただで食べさせろと言う自分はどう映るのかな」ということが理解できない。
 そしてただで食べさせないのを怒って、世の中にはうどん屋さんばかりではない、カレー屋さんだってあると言って、カレー屋さんに行く。
そしてカレー屋さんでうどん屋さんの悪口を言う。
そうすれば気持ちは楽である。
 私のところに相談に来る人は皆これである。私のところに来る前に相談に行った人の悪口を延々と言う。
 悩んでいる人は「何を食べたい」がなくて、どんどん気持ちの楽な方へ行ってしまう。


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