劣等感という心理にはいろいろな症状があらわれる。
そのひとつはなんと言っても利己主義である。
人を観察していると、ときに「なんであの人はここまで利己主義なのだろう」と思うことがある。
自分の利益のためなら人を犠牲にすることをなんとも思わない。
自分の利益のためなら人を利用することをなんとも思わない。
「そこまでするか」と思うほど利己主義になれるのは、その人が劣等感に苦しんでいるからである。
劣等感による心の傷を癒すためには権力やお金や地位が欲しい。
だからそれを得ようとして必死になり、もうほかのことは眼に入らないのである。
利己主義と劣等感とは深く関係している。
劣等感が深刻だと、人は利己主義にならざるをえない。
自分が得すること以外はしたくない。
自分の利益にならない相手は自分にとって価値がないと感じる。
その感じ方こそ、自分がそのままでは相手に価値がないという感じ方の原因なのである。
つまり、自分が名誉や権力を持たなければ、他人は自分を相手にしてくれな
いと思う。
そのように感じる人が、自分がそのままでは相手に価値がないと思う「自信のない人」なのである。
劣等感が深刻な人は損をすることに敏感である。劣等感が深刻な人は、いつも何か得することはないかと探している。
自分が得すること以外のことをすることを時間のムダと感じる。
得になること以外をするのはムダと感じて、得にならないことをしているときに焦っている人は、劣等感が強い証拠である。