加藤諦三の言葉 第196回 [2005/01/20]

  尊敬でなくコミュニケーションを求めよう
『自信と劣等感の心理学』(p.71−p.72)
(大和書房)

劣等感で傷ついた心を誰でも癒したい。
 そこで、たとえば自慢話をする。大げさな話で自信を誇示する。こうして自信を誇示しても、劣等感はさらに深刻 になるだけである。
 自信を誇示しても状況は変わっていない。現実は何も変わっていない。しかし、自信を誇示する人の心は変わって いる。
 自信を誇示すると、劣等感は複利計算で増えていく。ジョージ・ウエインバーグが言うように、行動は背後にある 動機となった考え方を強化するからである。
 自慢話をするのは劣等感があるからである。自慢話をしたことで、その動機となった考え方、つまり自分はこのま までは誰からも相手にされないという考えを強めてしまう。
 では心の傷を癒すのにはどうしたらいいのか?
 劣等感による心の傷を癒すには、落胆を一緒に背負ってくれる人を探すことである。
 こう書くと、「そんな人、いない」と言うかも知れない。しかし、いないのではない。いるのだけれども気づかな いだけである。
あるいは、あなた自身がその人を避けているだけである。
 劣等感の強い人は、コミュニケーションよりも尊敬を求める。
 だから自分の味方を自分の敵と思っている。
 そして自分の敵を自分の味方と思っている。
 自分の周囲の人のなかで、ある人が自分の味方と気がついたときに劣等感は癒される。



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