加藤諦三の言葉 第188回 [2004/10/5]

  すぐに手に入るものはすぐ失われる
『心が満たされている人の考え方』(p.108−p.109)
(大和書房)

『イソップ童話』に「お腹を膨らましたキツネ」という話がある。

お腹をすかせたキツネが、カシの木の洞穴にヒツジ飼いの置いていったパン
と肉を見つけ、入っていって、それを食べた。
ところが、お腹が膨れて出られなくなったので、嘆いていた。別のキツネがそ
こを通りかかって、その嘆く声を聞きつけ、
そばによってきて訳を尋ねた。そして、洞穴の中のキツネに、「入ったときの
太さになれば出られるよ」と言った。

お腹がすいているときに入ったが、出るときにもお腹が空いていなければな
らない。
それでは食事がなんとなく空しい。生きることが空しい。

人生をつまづく人は、お腹がすいているときにパンと肉を見つけると、つい
洞穴に入ってしまう人だ。
不幸になる人は、いまこの瞬間に自分の心を癒してくれるものに手を出して
しまう。
それは、たとえ手に入っても結果として空しいときが多い。
手には入っても満足を与えてくれない。


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