心理的健康について 第22回 [2001/05/21]

第6章 体験の解釈の仕方(2)

 同じ失敗をしてもその解釈は楽観的な人と悲観的な人とでは違う。楽観的態度を測定する最もよい方法のひとつに、心理学で「解釈のしかた」 (註、explanatory style)と呼ばれるものがある。クリストファー・ピーターソン博士とリーザ・M・ボッシオが「健康的な態度」 (註、Christpher Peterson, Ph.D.., and Lisa M. Bossio University of Michigan, Healthy Attitudes: Optimism, Hope, And Control.)と言う論文を「心と体の医学」(註、Mind /Body Medicine,/edited by Caniel Goleman, Ph.D., and joel Gurin. Consumer Union, 1993.) と言う本に書いているが、それをもとに健康的な態度について少し考えたい。楽観的か楽観的でないかは次の3つの基準によって判断される。

 第一の基準は失敗の原因を自分の内的なことに求めるか、自分の外に求めるかである。この新入社員は広告が取れないと言う原因を自分のうちに求めた。つまり内的解釈(註、internal explanation)である。
 広告を取れなかった人の中には自分が広告が取れなかったということを「こんな厳しい経済状況で企業が広告費を削られるのが当たり前だよ、とれるわけないよ」と解釈した人もいるだろう。その時の経済状況という外的なことに原因を求めた解釈である。つまり解釈の第一の基準は内的か外的かである。
 失敗の原因を自分の内的なことに求める人は「将来同じ失敗を繰り返させるような根本的な欠陥が自分にあると考え」 (註、Christpher Peterson, Ph.D.., and Lisa M. Bossio University of Michigan, Healthy Attitudes: Optimism, Hope, And Control.)がちである。しかし実際にはそんなことはない。
 部下に人気のないビジネスマンの中には、それを自分の性格と解釈する人がいる。そして人望がないのは自分の性格でどうしようもないと考える。だから自分は会社で人望を得て、出世など出来ない人間だと落ち込んでいく。そう考えるのが悲観的な人である。
 しかしビジネスマンのなかには、人望がないのは自分の性格のせいではなく、たまたま自分の課には自分と肌のあわない人が集まったと、自分の外に原因を求める人もいるだろう。そのうちに自分と肌の合う部下が集まるときもあるだろうと考えるビジネスマンもいる。部下に人望がないときに、運や巡り合わせのような外的(註、external)な要因のせいだと思う人もいる。



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加藤諦三、加藤諦三研究室