「人生で最も重要なのはバランスある」 「註、 Billy Mills, Wokini, A Feather Publishing Edition,1990 p96.」。
あるアメリカ・インディアンが書いた「Wokini」というタイトルの本がある。「Wokini」 「註、Billy Mills, Wokini, A Feather Publishing Edition,1990」とはインディアンの言葉で「新しい人生」とか「幸福」という意味を表わす。その第六章は「人生のバランス」の大切さを説いている。
そのバランスを象徴するのは「河」であると言う。河は流れている、同じ様に私達も運動しなければならないと筆者は言う。河は流れて、自らをきれいにする、だから私達も体を動かす必要があると言う。悩んでいる人をよく観察して見れば分かるが、動いていない。動いていないで疲れている。
「人生にバランスがなければ、人は健全ではない」と、その本の著者は言っている。そしてそのバランスのなかで他のものよりも無視されがちなのが体を動かすことであると言う。そして「バランスを欠けば、人生の最も偉大な喜びを失う」と言う。
私は時々アメリカ・インディアンの本を読んでいて、現代の最新の医学者が言っていることと同じことを言っているので驚くことがある。脳の優れた研究家である久保田競氏は「脳の若さを保には、脳に入る情報量を増やすこと、つまり脳を働かせることですが、それを支える基礎となるのが体を動かすことなのです」 「註、久保田競、心のしくみと脳の発達、朱鷺書房、136頁。」と述べている。そして一週間に15キロ歩くことを薦めている。生体をストレスに対して適応させている成長ホルモンは、運動することによっても分泌されるという。また運動することによって最近有名になったベーターエンドルフィンが分泌されるという。軽い運動を二十分、三十分続けるとこれが血液のなかに出てくる。
体を動かすことは心理的にも健康につながる。体を動かすことは脳の健康にもつながると久保田競氏は述べている。心と体がここまで深くかかわっている以上、健康はこのバランスが崩れたときに害されると考えるのが正しいだろう。
そしてこのバランスは何も心と体のバランスだけではない。仕事と趣味のバランス、仕事と家庭のバランス、右能と左能のバランス、理屈と感情のバランス、合理性と神秘性のバランス、精神的なものと物質的なものとのバランス等である
文明化された白人の社会では肉体労働をする人は肉体労働にかたより、精神的労働をする人は、精神的労働にかたより、どちらも不利益を被っている、そのような偏りはインディアンの社会にはないと「インディアンの教え」 「註、George Wharton James, Indian' Secrets Of Health or What the White Race May Learn from the Indian , The Radiant Life Press, 1917.」の著者ジェームスは述べている。
「インディアンの教え」には宗教的なこととか、自然の中での生活とか、色々と書かれている。ここで大切なことは書かれていることの内容そのものよりも、その本質である。その本質は一言で言えばバランスではなかろうか。