カレン・ホルナイが言う神経症的競走の第三の特徴は競走の中には復讐心が隠されていることである。
従って自分が成功することよりも他人が負けることが重要になる。自分が幸せになるよりも、他人が不幸せになることが重要になる。
今の日本では他人の不幸を売物にする読み物がとにかく売れる。ある時私のゼミの卒業生の中で加藤ゼミマスコミOB会というのが出来た時がある。その会に呼ばれて、私が今のジャーナリズムを批判したときに、教え子の、ある週刊誌の記者が「先生、不幸は売れるんですよ」と言ったのにショックを受けた。批判精神と言う名の妬み。人の不幸に心から同情できない私達。他人のあら捜しをして、その不幸に何かしらほっとしたものを感じる私達。だからこそその週刊誌は売れている。
それにしても今の日本人のスキャンダルに対する異常な関心の強さはどう説明すればいいのだろうか。全ての否定的意見に賛成する人もいる。この連載のはじめの方で書いたように今の日本の若者の異常な不満の高さはどこに原因があるのだろう。