人を育てる 第59回 [2004/01/03]

ある「立派な献身的な母親」の子供。

ある「立派な献身的な母親」の子供が就職ができなかった。成績はいいのだけれども会社の面接で皆だめになる。
確かに自己中心的な学生である。その学生に小さいころからのことを聞いて見た。その学生は「ママはいつも周りのせいにしていた」ということを繰り返し言った。おそらくママのほうはそのことに気がついていないのだろう。
小学校のときに先生の前では「先生のご指導のおかげで、、」と言いながら、陰で二人になると「いやな先生ね、」と言っていたという。「いやな先生ね、」と言えばそのときには気持ちが楽になる。しかし何も解決していない。その母親も一生懸命子供を育てた。しかし報われなかった。
この母親はなぜ報われないかが分かっていないのだろう。ふとしたときに出るその母親の本質が子供の心理的な成長の障害になっているのである。その心理的幼稚さが会社の面接で表われてしまう。
夫との関係も同じである。夫としても母親としても一生懸命に努力しながら、彼女は報われずに燃え尽きた。彼女の努力は砂上の楼閣のような努力である。努力の基盤ができていない。
自分自身が素直に楽しく生きていない。だから人間関係も仕事も子育ても何をしても上手く行かないのである。




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加藤諦三、加藤諦三研究室