人を育てる 第50回 [2003/10/02]

子供はなぜ「勉強は、いや!」と言ったのか?

 子供が「勉強は、いや!」と言った。
 母親は「子供は勉強がいやなんだろう」と思った。
 子供は「なんとかしてよ」と言う意味で「いや!」と言ったのに。

 子供は「ミルクは、いや!」と言った。
 母親は「子供はミルクは嫌いなんだろう」と思った。
 子供は「ミルクを飲めるように工夫してくれ」と言ったのに。

 この困難の乗り越え方を教えてくれ!
 この困難を乗り越えたい!
 
 そうした意味で、子供は「いや!」と言ったのに。

 生き方を教えてくれ、
 考え方を教えてくれ、
 今、子供ばかりでなく、人々はそう叫んでいる。


 小さい頃から他者とうまくコミュニケーションがとれない人は相手の言葉を言葉とおり受け取るという。
 以前、東大の大学院の男女の学生が大阪のラブホテルで無理心中した。
 女が「死にたい」と言ったのを、男はそのまま受け取ったのだ。おそらく女が「死にたい」と言ったのは、死ぬほど苦しいという意味であったろう。
 その男の専門はコンピューター。

 船が沈むときに、「あんたが嫌い!」と言ったら、これはホントである。
 春の野原で「あなた、嫌い」と言ったらこれはウソである。



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加藤諦三、加藤諦三研究室